えっ?星空の街に宇宙人が!?・・・


本当の四日市市を知っていますか?
1997年は、ちょうど三重県四日市市の市制生誕100周年に当たる年でした。それに伴って市では記念イベントを行うことになりました。

テーマは、「星空の街、四日市」
これを聞いてみなさんはどうお感じになられるでしょう?
私は、何か今までの四日市のイメージと違うな、と思ったのです。

四日市と聞いて連想できることと言えば、まず「公害」の二文字だったからです。
でも、それは大きな間違いなんですよ、皆さん!。今や四日市はとても住みやすい、空気のきれいな街へと変貌を遂げていたのです。

私は、そういった偏見を捨て去るため、実際に足を運んでみましたが、まったくその通り「公害」なんてとっくに克服したよ!・・というみんなの声が、街そのものの景色に反映されているようでした。
駅前の博物館には、ここに至るまでの歴史をジオラマとナレーションで構成したコーナーがあって、いかにみんなが努力してきたかが伝わってきました。
帰ってから、それらの取材をもとに、オーバーレコードのスタッフとミーティングを重ね、曲作りと平行してコンセプトとストーリーを固めてゆきました。

100年前宇宙から飛来したUFOに乗っていた主人公の宇宙人が、汚染された四日市の姿に、荒廃した自分の星の状況をオーバーラップさせ、人類がいかにそれを乗り越えてゆくか見守ってゆく、そして「未来へと、この星空を受け継いでいって欲しい」というメッセージを残して去って行く・・・といった内容に決定しました。



一週間以上かけて四日市駅前の広場に巨大な野外ステージを作り、レーザー、PA、膨大な数の照明をセットし、ついに8月1日本番を迎えました。

真っ暗な闇の中、ひとすじのレーザーが走る・・・壮厳な雰囲気の中、曲間にはナレーション、マルチビジョンに映されたCGとビデオが流れます。

Part1 Noah's Ship
Part2 Human Development
Part3 Orbital Silence
Part4-1 The contact
Part4-2 Heaven's Gate

という曲目でした。
私も緊張して固くなっていたのですが、レーザーと照明に助けられつつなんとか弾きこなし、次第にクライマックスへ。曲もテンポアップし激しくなる。
特効がタイミングよく決まり、そのたび観客から歓声があがる。銀煙、打ち上げ、ナイヤガラ、と続き、そしてトータル30分、今までの中で一番と言っていいほど緊張したステージは見事に完結しました。