■今年の「キト伝説」のテーマ
「豊作じゃ、豊作じゃ!」・・・で始まる今年のストーリーでもお分かりのように、今年のテーマは「米」です。なぜこのテーマを選んだかと言うと、今年の共演者「宝暦義民太鼓」の由来にヒントがありました。

「郡上一揆」は全国でも有名な農民一揆ですが、この一揆の歴史的重さを太鼓という手段で今に表現しているのが「宝暦義民太鼓」なのです。
すでに何十年も続いている由緒正しき伝統芸能集団と、未だ駆け出しの金子とが共演するという、前代未聞未曾有宇の試みが、「たかす雪まつりレーザーショウ2007〜キト、白鳥へ飛べ!」でした。

■宝暦義民太鼓見学
宝暦義民太鼓とは何ぞや?同県人ながら殆ど知識のない無礼を知りつつ、大きな期待と不安を胸に郡上白鳥へ練習を見学に伺いました。白鳥インターを降りて川沿いに走ると堤防に面した学校がありました。ここが練習会場です。
車から降りると太鼓の音が聞こえてきました。

一通りのあいさつを済ませると、いよいよ宝暦義民太鼓を抜粋で披露していただくことになりました。
「ベストメンバーじゃないけどね。」
代表の曽我さんがそう言いながら奇怪なお面を付けた瞬間からみんな別人になったかのように叩き、踊り、跳びまわり始めたのです。一種異様なその光景は見るものを震え上がらせるに十分な迫力がありました。

そこでふと思ったのが、直訴の場面がレーザーショウのストーリーに相応しくないのではないか、ということでした。
ここでの私は、ストーリーに太鼓を合わせることしか考えていませんでした。
当然、そこには衝突が・・・
■レーザーショウ共演
「キト伝説2007」ストーリー
音楽とお話(mp3)
キト伝説の由来
「それだけは譲れん!俺達の魂や!」
と、どなるリーダー格の人。なだめるように説明してくれる代表。
私もこのイベントを成功させなくてはならず、一歩も譲ることはしたくなかった。
しかし、伝統をかたくなに守っている彼らを変えてしまってよいものだろうか。このレーザーショウに出演することで義民太鼓の名に傷がついてしまっては元も子もないのではないか、と考えました。

「わかりました、このままで出演お願いします!」
ようやくみなさんもこちらの立場を理解してくれたようです。次の瞬間にはみんなで笑っていました。

私はストーリーを大幅に変更し、直訴中心の内容に書き換えました。
そして、彼らを白鳥を守る神にしよう、と考えたのです。

本番は雪の中、15名のメンバーは熱のこもった見事な演奏を披露していただきました。
宝暦義民太鼓のみなさん、ありがとうございました。



■今後のレーザーショウの課題
去年から始まった地元伝統芸能との共演レーザーショウ、また来年もすでに構想があります。今はまだ公開できませんが、伝統という言葉の持つ意味を忘れずに、新しい表現を試みたい。
自分のストーリーを押し付けるのではなく、伝統を活かす発想へと転換していかなければならない、と感じています。

この「たかす雪まつりレーザーショウ」が、この地を代表する「伝統芸能」になることを望みます。